なんと読者からメッセージもらいました
初めまして。いつも参考になるブログの記事を楽しく拝見させていただいております。北関東で個人塾を経営しているTomasと申します。
塾経営は今年で14年目、中学生を中心に生徒数は約140名ほど在籍しており、一昨年、個人事業から法人成り、正社員を雇用し現在に至ります。
塾長何某さんも事業拡大に伴い、正社員の講師・教室長を採用していくご予定かと思いますが、どのような採用方法をお考えでしょうか?
実体験を踏まえてですが、零細企業の採用活動、特に社員採用に関しては非常に困難であると感じています。
人材採用を成功に近づける手法をお持ちでらっしゃいましたら、ブログの記事を通してでも構いませんのでご教授いただけたら幸いです。
なんと、ついに読者の方からコメントをいただきました。
読者居たんだ・・・・
生徒数140名はなかなかです!塾長の塾力偏差値は70を超えてきます!
相当に力のある先生ですね。
それでも社員に困っているのね・・・
私の塾はまだ1年目なので社員の登用について偉そうに言える立場ではないのです。
ですが、そういってしまうと記事にならないのでひねり出しましょう。
私が大手に勤めていた時のリクルートと、私よりも先に独立した先輩の例を挙げることにします。
先輩の塾の例
引き抜き型
おおう、いきなりきな臭いのが来たわね。
なかなかのつわものです。
大手に勤めていた時の部下を次々に引き抜いて社員登用している先生です。
開校4年目にして生徒数は140名、使えるものは何でも使うスタイルですね。
ちょっともめごとになる可能性もあるので、ご利用は計画的に。
独立してすぐ引き抜くとめんどくさいことになる可能性が高いので、ある程度時間がたってからのほうが良いかもしれません。
私も実は狙っている元部下がいます。
公教育機関とのコネ
この先生はすごいコミュ力と営業力を持った先生です。
色んな中学校や高校の校長先生と知り合いなのです。
かなりのキャリアを持たれている先生で、各学校の校長先生が新任だったころから付き合っているとかいないとか。
それとリクルートと何の関係があるの?
非常勤雇用・臨時採用の先生を紹介してもらうんだそうです。
よく話をきくと、中学や高校って非常勤講師を抱えているらしいのです。
フルタイムの本採用に合格しなかったりポストが空くのを待っている若い先生がかなりの数いるのだそうです。
そういった若い先生は非常勤講師だけでは収入が足りないのでアルバイトをしていることも多いそうです。
ぱっと調べてみたところ50分2000円~4000円とかで授業されているようです。
私の教え子も本採用に合格せず非常勤講師で月収が15万以下の時期があったと言っていました。
彼らをリクルートするコネがあればかなり強いと思います。
正社員ではなく非常勤雇用ですが、それでもプロですので社員と変わらない力を発揮してくれるでしょう。
因みに、学校の非常勤雇用の先生は任期が1年ごとの更新らしいので非常勤講師を続ける限りは塾にも来てくれるようです。
そのまま塾の社員になった先生もいるそうです。
ママ友ネットワーク
こちらは女性の先生がとっていた手法です。
この先生はママ友ネットワークへの侵入に成功しているらしく、そこから講師を募集していました。
でた!恐怖ママ友ネットワーク。
ヒキニート発言やめい。
どうも30~40代の女性の中には先生をやってみたいと思っているかたが一定数おられるようです。
行動力のある方は公文や学研の先生をやるのでしょうが、そうでない方はアルバイトを選択されるようです。
家事もあるでしょうから社員登用まではいかないと思いますが、それなりに長期間安定して勤務してくれることが多いようです。
因みにわたしなら16:00~19:00の小学部担当と19:00~22:00中学部担当で分けて募集します。
その心は?
片方の先生が休んだ時に、もう片方の先生に残業をお願いすれば授業の列に穴が開きません。
社員1名と同等の働きを期待することが出来ます。
ほー!
ただし、地域でもめごとが起こる可能性がありますので商圏内からは募集しないほうがいいと思います。
私の予定
来年度はこれを行う予定です。
生徒募集でポスティングを行うのなら、講師募集でもポスティングをすればいじゃない!
効果があるかどうかなんて知りません。
どうせ考えたって答えは出ません。
やってみればいいんです。
所詮数千枚のチラシです、1万円位でしょう。
やれやれー!!
やってる人見たことありませんがやってみます。
ファースト・ペンギンに、俺はなる!
大手時代にやっていたこと(非常勤確保)
重要なのは高校部
卒業生は絶対確保
大手勤務時代非常勤講師の確保には全く困っていませんでした。
いくつも校舎を歴任しましたが、どの校舎でも非常勤講師の確保は余裕でした。
むしろ余っていたくらいです。
大手だからじゃないの?
多分違います。大手でも困っている校舎はいくらでもありました。
非常勤講師を確保するうえで最もお手軽で各自な方法は『卒業生の雇用』でしょう。
つまり、高校部にある程度の生徒数が必要になるわけです。
これは経験上大体の数字ですが、高3生が100名居たら非常勤講師になってくれる人は10~15名位でした。
毎年2名程度非常勤講師を募集しようとすると14~20名くらいは高3生が必要と言うことになります。
学年の人数比率
ここで、学年の人数比率について考えてみます。
前のブログでも触れていますがおさらいです。
小学部40名
小3 5名
小4 8名
小5 11名
小6 16名
中学部60名
中1 15名
中2 20名
中3 25名
高校部40名
高1 12名
高2 13名
高3 15名
私が校舎を運営して140名になった段階の人数比率はこんな感じでしょう。
この布陣なら毎年2名程度の非常勤講師を確保することが出来ます。
そして非常勤講師の平均勤務期間は私の場合3年でしたので、卒業生だけで常時6名の非常勤講師を抱えることが出来ます。
ですが、中学生がメインで140名の塾の場合
小学部 30名
小4 5名
小5 10名
小6 15名
中学部100名
中1 20名
中2 30名
中3 50名
高校部 10名
高1 3名
高2 3名
高3 4名
こんな感じになっていることが多いのではないでしょうか。
根拠あるの?
大手でもこういう人数比率の校舎多かったです。
この状態だと、社員の前にまず非常勤講師の確保が難しいかもしれません。
急に高校部を充実させることは難しいかもしれませんが、私なら高校部非継続生全員に『卒業生は自習室無料開放』と言ったDMを送って人数を確保します。
高校部の運営
強い高校部の条件
まず大前提として、地元の上位大学に合格させることのできる塾であることが必要でしょう。
正直個別指導はNGだと思います。
医歯薬系レベルの先生がそろっていて、毎月の学費が何十万円かかってもよいと言うのであれば可能でしょう。
しかし現実的にそういったご家庭は普通の個人塾に来ることはありません。
多くの保護者のニーズが何かを考えてみると良いでしょう。
別に東大や京大に合格させろと言っているわけではないはずです。
また、別に勉強しなくても合格するような大学に行かせるために塾に通わせることもないでしょう。
おそらくボリュームゾーンは地域の上位大学のはずです。
ですので、個人塾に求められることは『地元の上位大学に合格させる力』だと思います。
自塾で高校部を運営するのであれば、例えば秋田県であれば秋田大学に合格させるための論理的な教育カリキュラムを用意することが必須条件となるでしょう。
個人塾で出来る高校部運営
私が使う教材は『スタディサプリ』『atama+』です。
単体で使うと
『スタディサプリ』・・・それなりに面白い授業を見るだけ
『atama+』・・・・・・かなり面白くない解説と復習をさせられるだけ
多分片方だけで運用すると生徒がついてきません。
しかもただ机でやっておくだけの放置プレイになるので、校舎とのつながりもなく退会していくでしょう。
高校部は授業を行いません、登校日は毎日です。
そして必ず毎週こういったホームルームを行います。
だいたいホームルームは10分以内にして、みんなが集まっているんでついでにリスニングも5分くらいします。
その後15分~30分かけてグループごとのミーティングを行います。
ミーティングでは6名以下の班に分かれて、1週間の学習計画を立てたり登校予定を立てたりしていきます。
自己管理能力を高める訓練と言うのが表向きの理由です。
毎日登校させて校舎に来る癖をつくり、生徒を集団化させることにより校舎への帰属意識を高めることが目的です。
なんか、教育者じゃないかんじー
大丈夫!その結果必ず成績は上がります。
また、生徒にはあらかじめ年間受講計画票を渡します。
ちなみにこれは新高校2年生向けに作った年間受講計画票です。
ミーティングではこの計画から送れたりしていないかなどもチェックしていきます。
このミーティングは人数にもよりますが、大体30~50分くらいで終わるのが良いでしょう。
学年を混ぜて行うこともできます。
高校部が30名程度であるならば、受験生と非受験生に分けて運営するとちょうどよいかもしれません。
(30名を2クラスに分けて実施すると、1クラスは3班の構成になります。一つの班にはオブザーバーとして非常勤講師を1名つけてサポートさせていくことになります。)
ちゃんと地元の上位大学に合格させた結果
私は三月末ごろに塾で卒業式(お菓子パーティー)をします。
そこで卒業する高校三年生に履歴書を渡します。
ただし、私から渡すのではなくミーティングを担当していた非常勤講師から卒業後アルバイトをするように誘ってもらうのです。
そうすればかなり良い確率でアルバイトをしてくれるようになります。
初めに100人中10~15名と言いましたが、実際は半数くらいは県外の大学へ進学していきますので、地元に残った50名のうち20~30%がアルバイトをしてくれることになります。
大手時代にやっていたこと(社員登用)
社員と非常勤に極力差を付けない
私は、学生のアルバイト講師だからと言って仕事に制限を設けませんでした。
やりたい子にはいくらでも仕事を教えます。
給料も当然上げていきます。
一斉クラス授業・個別指導授業・教材作成・物品発注・保護者面談・入学面談・各種手続き・・・・
全部教えます。
教室長の先生の中には『アルバイトにそんなこと出来るの?』と思う先生もいるみたいです。
ですが正直、今まで面識のなかった新卒よりもずーっと面倒を見てきた卒業生のほうがはるかに仕事が出来ます。
そもそも塾のシステムをほとんど知っているわけなんですから。
そうやってどんどん仕事を任せていくことで責任感とやる気が生まれてくるはずです。
能力・努力を必ず給与に反映させる
これは絶対です、同期の非常勤講師の間でも明確に時給に差を付けます。
私のところは研修給が1000円で、研修が終われば1100円となります。
それから先はバラバラですが、1500円位までは頑張っている子は上げてあげたいと思います。
いままで一番高かった子は確か2000円くらいまで上げていた記憶があります。
大体1500円位の時給の子は一通りすべての業務が出来るイメージです。
私は新卒の社員には『仕事は全て非常勤講師に聞くように』と教えていました。
労基順守
たぶん社員登用が難しい一番の理由は、『塾の先生=スーパーブラック』と言うイメージがついているからではないでしょうか。
私は必ず有給を与えます。
本人が別にいらないと言っても無理やり取らせます。
そしてサービス残業は絶対にやらせません。
許可なく残業した場合まぁ怒りますが、怒った後で必ず褒めて多めに残業代を出します。
許可なく残業するのはダメです!
絶対やめて。
すみません・・・
社会人としてダメなことですが、やってくれたおかげでとても助かりました。
次からは申請してから残業してください。
わかりました・・・
すごく頑張ったので、切り上げて1時間分の残業を付けておきます。
こんな感じですね、実際はもっときつく言っていると思いますが。
その結果
私の勤めていた塾は大体社員の半数が塾の卒業生でした。
ですので、卒業生の青田刈りはかなり重要なのだと思います。
以上、独立してから一人も社員を雇ったことが無い何某塾長でした。
実績なし!
まぁなんとかなるっしょ!?
コメント
さっそく記事にしていただき、誠にありがとうございます。非常に参考になりました。
弊社でも採用した社員は元塾生で、アルバイトも半数は元塾生です。
新年度から高等部を正式にスタートするので、少しでも今後の採用につながればと思っています。
今後も記事を楽しみにしております!