入学率の低い塾経営者とは
保護者と初めて顔合わせする大切な場所が入学面談です。
言うなれば消費者のニーズをダイレクトに拾える重要なチャンスでもあります。
ですが、残念なことに自塾の説明を一方的にするだけで、あまり保護者の話を聞かない塾長が結構いるようです。
入学面談というものはBtoC交渉です。顧客のニーズを吸い上げて、適切な講座を提案することが基本となります。
けして、こちらの都合に生徒を合わせる為のものではありませんし、消費者もそれを望んでいません。
こちらの都合に合わせて成績が上がるんであれば、学校の勉強だけで成績が上がっているはずなのです。
よくいるんです、特に熱心な塾長に多いのですが、塾の説明ばかりして如何に自塾が素晴らしいか語り続ける先生・・・
カラオケでマイクをはなさいない人と同じね!
塾に来る保護者は大きく分けて3パターンです。
①成績が悪くて困っている子供をなんとかしたい場合。
②特に何も考えていないが、周りが塾に行っているから行かせようとしている場合(友人紹介)
③成績は悪くないが、さらに上を目指したいと思って塾を探している場合。
②の保護者は入学しようと思って塾に来ているわけですので、変なことを言わなければ普通に入塾してくれます。
問題は①③の保護者です。こちらの方々は、塾を探しているのであって、別に内に入塾しに来たわけではありません。
①の保護者は相当困っているはずです、『何とかわが子に良い進学先を』と思ってこられているのに、自塾の説明ばかり・・・、たぶん保護者には塾の自慢話ばかりしているように感じるはずです。
③の保護者も同様です、より良い塾を探していろいろな塾に話を聞きに行っているはずです。自慢話ばかりしているような塾にはまず入塾しないでしょう。
入塾面談の基本的な流れ
たぶん私だけでないと思いますが、入塾率の高い塾長の面談にはある程度の型があると思います。
① アイスブレイク・ヒヤリング
② ソリューション
③ プロポーザル
④ クロージング
① アイスブレイク・ヒヤリング
初対面です、いきなり本題に入るのは愚の骨頂。まずはじっくり相手のことを聞きましょう。
一体何で困っているのか?どうしてほしいのか?志望校はあるのかetc
② ソリューション
まぁ解決策の提示ですが、ここでいきなり自塾の自慢をするのはちょっとがっつきすぎです。
まずは塾と関係ないところで解決案を出してみましょう。もしかしたら、すでに保護者の方も実践した内容かもしれませんが、新たな情報が引き出せる可能性がありまし、こちらに対する信頼度も上げることができます。
③ プロポーザル
ここまで来てやっと自塾の説明に入りましょう、ここまでくれば保護者はこちらの話を聞く態勢に入っています。スポーツで言うなれば準備運動ですね。準備運動なしでいきなり100m走ってもけがをするかもしれません。
④ クロージング
出ました、入学意思確認です。ここは人それぞれのスタイルがあるんじゃないかと思いますが、私は人によって締めくくりを変えています。他塾を見に行く可能性があるんでしたら、早く見に行くように勧めます。そうでないのなら、ストレートに聞きます。ただし共通することは、その場で私のサイン入りの契約書を渡して、入塾するのであれば〇〇日までに書類の提出をお願いします。
ちなみに私の入塾率は9割を超えるくらいです。激戦区でやったとしても8割は行くと思います。
なんか、ほとんど詐欺師の手口みたいね!
同じです。実際彼らはBtoBのプロです。違いといえば、我々塾人は絶対に相手にとっていいものを売っているということくらいです。
面談の会話の流れの例
実際によくある面談の会話の流れを、妻MOZをどこかの母親役としてロールプレイしてみましょう。
アイスブレイク・ヒヤリング
こんにちは、何某と申します。本日はお越しいただいてありがとうございます。
いいえこちらこそよろしくお願いします。
早速ですがおかあさん、今何かお困りのことありますか?
いやー先生、うちの子の成績がわるくてですね・・・
学校の順位ってどのくらいですか?
真ん中よりもちょっと下くらいです・・・
どの科目もできない感じですか?
英語とか国語は上位なんですけど・・・数学と理科がもう学年で最下位レベルなんです・・・
なるほど!文系よりの力が強い感じですね!すごいじゃないですか英語と国語が上位なんて!
*一回は絶対に褒めるところを探しましょう
そうですか(テレッ)でも、数学と理科がねぇ・・・
国語が出来るってことは、基礎学力が高い証拠です。また、英語が得意なのは大学入試まで考えると将来的には有利になるポイントですよ。数学と理科が出来るようになれば、もう総合で上位に行くじゃないですか!
じゃあ先生どうしたらいいですか?
ソリューション
一日どのくらい勉強されてます?
テスト前以外は宿題やってるくらいなんで、1時間くらいだと思います。
それで英語と国語が上位なのはやはり基礎学力が高い証拠です。もしかすると単純に数学と理科が嫌いでやってないだけかもしれませんね。
確かに・・・あまりやっているところを見たことがないような気がします。
数学と理科は思考科目とよく言われますが、それは基本事項・定石の暗記が出来たうえでのことになります。好きな科目は覚えるのも早いですが、嫌いな科目や苦手意識のある科目はなかなか覚えられないものなんですよ。
そうなんですかー
ですので、お子さんの場合単純に数学と理科の勉強時間をちょっと増やすだけで点数が上がる可能性があります。もしかしたら、あまり塾に来る必要がないかもしれません。
えっ?そうなんですか?でもやっぱり先生不安です。
*ちょっと突き放したりするのもテクニックです。人間こうなると逆に入塾したくなったりするものです。
では簡単に塾のご説明いたしましょうか?
ぜひお願いします。
*ここが重要です。この一言が出ればほぼ入塾確定です。相手から聞きたいといわせると最高です。
プロポーザル
はい、出番です。好きなだけ自塾のアピールをしてください。会話は塾によって違うと思いますので省きます。
クロージング
ご説明は以上になります。何かご不明な点はありますでしょうか?
いえ、特にありません。
では、ご入塾される場合は1週間以内にこちらの書類に署名と捺印をしてご持参ください。本日はお忙しい中ありがとうございました。
一度も入塾してください見たいなことを言わずに流れていった例ですが、大体この流れで行くときはほぼ入学します。
参考になった方はチャンネル登録をお願いします(嘘です)。
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