個人塾で失敗する秘訣
当然ですが、うまくいく塾・うまくいかない塾どちらにも必ず理由があります。
前回のブログで、年収1000万円なんて簡単と言っておいてなんですが、今回は失敗するための秘訣を列挙していきましょう。
失敗する秘訣って・・・SEO無視してるわね。
そんな変なキーワードで検索してくれる面白い人に読んでほしいのです。
個人塾が失敗する理由5選
おお・・・いきなりSEO対策し始めた・・・
別にSEO対策できないわけではないんですが、執筆の自由度が下がるんですよね。
冗談はさておき、まずはこれをやったら失敗するだろうなってのを上げておきましょう。
①大手が集まる場所に出店する。
②初めからきれいな校舎を作る。
③個別指導形式をとる。
④開校時期を間違える。
⑤すべての客を拾おうとする。
ちなみにここでいう失敗とは、手取り年収が3年以内に500万円に到達しないことを指します。
この程度も超えないようでしたら、普通にサラリーマンやってる方が儲かりますんで、独立するリスクを取っただけ損と言うことになります。
手取り年収500万円のラインは、通常月の平均売上が50万円位になります。
ただし、生徒数は3~4月が最も少なく1~2月にかけて最大となるので、4月の売り上げが40万円と考えても良いと思います。
個人塾が失敗する理由の解説
①大手が集まるところに出店する。
大手塾って、なぜか同じところに固まって出店していることが多いです。
これはなぜか知っていますか?
大手塾は個人塾とは根本的に運営方法が異なります。
大手のネームバリューで集客し、複数名の社員で校舎を運営しています。
生徒数100~150名くらいの中規模校だと、大体社員数は3名くらいです。
そして、ターゲット校も4~5校(中学校)となり、複数の学区から生徒を集めると言った方式をとっています。
そのため様々な中学校から通いやすい、(バス・電車から近い場所等)に出店するため、どこも似たような配置になることが多いのです。
ここに個人塾が殴り込みに行くとなると大変です。
まず新規開校時は圧倒的に名前で負けますので、勝負になりません。
そして何とか10人くらい集まったときに、あることに気が付くはずです。
中学生って定期テストの点数が高校入試の結果に直結するので、テスト対策が重要になってきます。
定期テストって、英語・数学・国語・理科・社会に加え、技術家庭科・音楽・保健体育・美術と9科目もあります。
ちゃんと対策をするならば、この9科目に対してテスト対策のプリント作っていくわけですが、
4つも中学校が入り混じっていた場合作れますか?
もし万が一全員が違う学年、違う中学校だったら10人×9科目=90科目分の定期テスト対策プリントを最悪1学期に2回作る羽目になります。
できないとは言いませんが、私は嫌です。
余裕をもって出来るのは2校くらいです。
あとは、中学校ごとにテスト対策期間がバラバラなのもしんどいですね。
運悪く、前期後期制と3学期制が入り混じる地域にあたってしまったとしましょう。
5月頭~5月末まで1学期中間対策。
6月頭~7月末まで前期中間対策。
7月頭~7月末まで1学期期末対策。
9月頭~9月末まで前期期末対策。
10月頭~10月末まで2学期中間対策
11月頭~11月末まで後期中間対策
12月頭~12月末まで2学期期末対策
1月~2月学年末or後期期末対策
年中常にテスト対策です。
個別指導形式なら可能ですが、一斉クラス形式だと通年授業をする暇が全くありません。
大手は、テスト対策する先生と授業する先生に分かれて対応しているので可能なのであって、開校したての個人塾ではまず無理です。
②初めからきれいな校舎を作る。
資金力に余裕があれば別に良いかとも思いますが、基本的にはお勧めしません。
内装にお金をかけなければ、初期費用100万円位でスタートできますが、内装費っていい感じにきれいにしようとすればするほどお金がかかります。
10坪くらいの小さい校舎でも、400~500万円は普通にかかると言います。
で、気合入れてピカピカの校舎を作ったとして、保護者がそれを評価するかと言うと・・・
ピカピカの校舎に行きたい、塾=ファッション系の保護者は大手に行くわよ。
だそうです。
しかもですよ、内装費に追加で300~400万かけるくらいなら社員一人とかパート2人とか雇った方が生徒の成績上がると思いません?
根本的に考え方がずれてると思うんですよね。
あと、これは大手時代からの私の経験ですが、校舎を改装するたびに生徒が増えます。
『人数増えてきて、余裕が出来たから壁紙きれいなのに変えたよ!』
『今度はでっかいコピー機かうぞ!』
とか言っていると、生徒も面白がって友達を呼んできてくれますし、塾に通うこと自体に新鮮味を持たすことが出来ます。
③個別指導形式をとる。
これは前回のブログでもさんざん言ってきたことなんで、もういいでしょう。
ただまぁ、ある程度生徒数が増えてきてから一斉クラスで拾えない生徒を個別で抱えるのは良いと思いますよ。
あくまで、余裕が出てきてからです。
経営に余裕が出てくるころには最初に送り出した中3が大学生になっているでしょうから、アルバイトに来てもらえばいいでしょう。
④開校時期を間違える。
これ、もしかしたらあまり考えていない人が多いかもしれません。
開校時期は塾業界の募集期にうまくマッチするように行うのがベストと言えるでしょう。
まず最大の募集期は6~7月の夏期講習です。
募集形態にもよりますが、1年のうちの問い合わせの4割がここに集中する塾も存在します。
次に重要な募集期は春期講習です。
ここは学年の変わり目でもあり、『新学年になったら塾に行こうとか』『中学生になったら塾に行こうとか』思っている家庭が結構ある上に、『成績が上がらないから塾を変えよう』と思っている家庭もここにあたります。
この二つを効率よく集客するためには2~3月の開校が最適で、実際大手もこの時期に新規開校するケースが多いのです。
この時期を外して、8月開校とかししまうとすでに重要な募集期はすべて過ぎてしまった後と言うことになります。
そうなると、最悪開校から4か月生徒がいないと言う最悪の事態を招く恐れが出てきます。
あと、これはたぶん業界人しか知らないことだと思いますが
(はいそこ、メモ取って)
成功している大手の常勝メソッドとして2~3月の小6は『中学校進学準備講座』などと称して無料にしています。
また、新規開校記念で初めの数か月は全学年無料とかにしている大手もあったりします。
実際これで相当な数の個人塾が廃業に追い込まれたわけですが、最初のスタートダッシュの生徒数はお金を払ってでも欲しいところではあります。
実際私はやりました。
前職をきれいに辞職して独立する人は年度の切り替わりである3月にやめる方が多いのではないかと思います。
4月には新卒が入社して、自分が抜けた後もちゃんと会社が回ることを考えている責任感のある方はこうするはずです。
ですが、塾の開業を同時並行でやっていなかった場合開校が8月とかにずれ込む可能性が出てきます。
会社のことも考えて退職するのは非常に好感が持てますが、開校時期が8月になるのはいただけません。
私ならば、8-9月ころから開校準備を進めながら3月退社をします。
また、2~3月はプレオープン期間と称して土日を使って無料で指導を行っていき、4月の本オープンに備えると言う流れを取ります。
今回私は不動産とのトラブルで、プレオープンが出来ず、4月は10名弱でのスタートになり、夏期に24名となりましたが、プレオープンが出来ていたのであれば現在35名は超えていただろうと思われます。
⑤すべての客を拾おうとする。
どこまでの層をカバーできるかは塾長の力量によるところが多いと思うので明確な目安を付けるのは難しいです。
ただ、自分のキャパを超えた層をカバーしようとすると必ずほころびが出て、そこから悪評が広がります。
一斉クラスの場合はクラスの中の学力差が激しかったり、公立中学校と私立中学校を混ぜると進度が違いすぎたり・・・
目先の売り上げを取りに行くと、後々大変なことになります。
あとは高校生を取る場合は、相当な実力が要求されることも理解しておくべきです。
大学受験は、高校受験よりも数百倍も細分化されて複雑化しています。
よほど自身がない限り手を出すべきではないでしょう。
はっきり言って生徒のためになりません。
それよりも近隣の有力な大手を勧めた方が、保護者も信頼してくれるでしょうし、入れ替わりで下の子が入学してくれる可能性も上がります。
そうね、私もその方が安心だわ。
手取り年収500万円なんて、小中合わせて30人もいれば超えますんで悪評広めるリスクを冒す必要なんてないんです。
ちなみに手取り年収500万円の時の在籍生徒学年分布ですが
小3 以下若干名(無料でもいいんじゃない?)
小4 2名
小5 4名
小6 6名
中1 8名
中2 10名
中3 12名
こんな感じで余裕で超えます。
たったこれだけのことです、出来ない方がおかしいんです。
ちなみに大手の教室長ですと、この3倍の数字を出しても単価によっては降格処分になります。
最後に
ここまでで、私は授業力に一切触れていません。
授業が下手すぎて話にならないという評価を受けた先生が、教室長を代行したときに恐ろしく売り上げを伸ばすことも多々あります。
また、めちゃくちゃ授業がうまい先生が独立しても生徒が集まらずつぶれてしまうケースも全然珍しくありません。
年収500万円のラインで満足なのであれば、やっちゃダメなことをやらなければいいだけです。
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