一斉クラスの問題点と解決方法

塾経営

一斉クラスにも問題点があります

さんざん一斉クラスを全押ししていましたが、もちろん一斉クラスにもいくつか問題点があります。
塾を開業する際に個別指導を選択する人が多いのも一斉クラスが抱える問題が頭をよぎるからではないでしょうか。

個別指導は医歯薬系を除いて基本的に生徒の質問対応がメインになってきますので、講師にそこそこの学力があれば特に準備することもないため、技術的な参入障壁がひくいのです。
1:2の個別指導だと、生徒数30人くらいまでであればアルバイト講師を雇わずに塾長一人で運営可能なため、先が読めない経営者の場合個別指導で開校してしまうのだと思います。

ですが、その先を考えるのであれば断然一斉クラスに軍配が上がります。
今回は一斉クラスの問題点と解決方法について考えていきますので、参考にしてただければ幸いです。

一斉クラスが抱える問題点

一斉クラスが抱える問題点はいくつかありますが、大まかに開校前のものと開校後のものに大別できます。

開校前の問題

①店舗の広さの問題

個別指導は先生一人でやるのであればそれこそ4畳半の部屋でも可能です。
私が大手で個別指導部を担当していた時8畳くらいの教室で70名の生徒を見ていた時があります。

②時間割の問題

個別指導は時間割が非常にフレキシブルで、生徒の都合に合わせることが出来ます。
反面一斉クラスは決まった日の決まった時間に登校する必要があるため、曜日の合わない人を入塾させることが出来ません。

開校後の問題

学校ごとに定期テスト期間が違う

ターゲット校を一に絞って運営するのであれば出ない問題ですが、複数中学校にまたがると必ずこの問題が起こってきます。

④出来る生徒とできない生徒が同じ教室にいる。

たぶん、ここが一番危惧されるところではないかと思います。いい授業をしようと思われる方ほどこの問題について考えてしまうのではないでしょうか。

一斉クラスの問題点を解決する方法

①店舗の広さの問題

個別指導にだと4畳半でも行けると言いましたが、実際そんなに小さいテナントを探す方が難しいでしょう。
マンションの一室でもできますが、騒音の問題があるのでちゃんとした店舗を構えた方が良いと思います。

店舗を探してみると分かりますが、小さい店だと10坪程度のところが多いのではないでしょうか。
10坪あれば12人教室(詰めれば16人)が2つ作れますので、片方を教室もう片方を自習室にすることが出来ます。

人数が増えて、授業を2列でやるようになったら自習室なくなるわね。

その時は、移転とか隣のテナントが運よく空くとかを祈りましょう。
上の階の住居用の部屋を自習室にすると言う手もあります。

立地にもよりますが、家賃は5万~10万くらいのところが多いのではないでしょうか。
『あくまで、コストを削って自宅の一室で開校する!』
という不思議なこだわりを持っている方でない限り、ちゃんとテナントを借りることをお勧めします。

この店舗でも50人~80人くらいは収容可能なはずですので、初期段階においては広さの制約はないと言えるでしょう。

②時間割の問題

生徒の都合に合わせて時間割が組めると言う利点を持つ個別指導に対して、一斉クラスはこの点において絶対に勝てません。
結果、取りこぼしてしまう生徒は当然出てきますがそこには目をつぶるほかないでしょう。

もうそこは考えずに時間割を組んだ方が、運営コストが下がる分利益は上がります。
そもそも学生は本来勉強を第一に考えて行動するべきです。
勉強が出来ないから塾に行くことになっているのに、ほかに何を優先する必要があると言うのでしょうか。

私は面談ではっきり言います。
『通塾する時間がないのなら、習い事を辞めるべきです』
『勉強を第一に考えられないであれば成績は上がりませんので、本校ではお断りいたします』

入塾してくれなければ売り上げになりませんが、私はお金をもらう限りは成績を上げる責任があると思っています。
であるならば、成績が上がる見込みのない生徒は断るべきだと思うのです。

対して売り上げもないのに強気ね!

成績が上がる見込みのない生徒はリスクです。
お金だけもらって成績が上がらなければ悪評が広まるだけです。

でも・・・売り上げが・・・

実際開校からの問い合わせでこういった生徒が2名いましたが、2名とも習い事を辞めて入学しました。

正直ここは強気に出るべきだと思っています。
最終的に入塾するかどうかは、面談力でしょう。

あとは人間心理として、『買い物に来ているのに売ってくれなかった場合、余計に欲しくなる』と言うのもあるでしょう。
また、こうして習い事を辞めてまで入塾してきたお母さんは、絶大な口コミ人となって行くことが多いです。

③学校ごとに定期テスト期間が違う

これは確か前のブログでも似たようなことを書いたと思いますので、読んだ方は飛ばしてください。

一斉クラスの授業は基本的に予習型で行うべきです。
予習型で行っておけば、各中学校の進度が多少ずれていても対応が可能です。

そして
『テストまでに試験範囲の授業が終わらなかった!』
などと言う最悪のヒューマンエラーを未然に回避することもできます。

そして、テスト対策期間を使って各中学校用の演習をしていけばいいのです。

④出来る生徒とできない生徒が同じ教室にいる

この問題はかなりヘビーです。
出来る子に合わせて授業をすると、出来ない子はおいていかれます。
出来ない子に合わせて授業をすると、出来る子は退屈です。

全員を満足させるためには相当に高い授業力が必要になるため、ここが一番の懸念になっているのではないかと思います。

これを回避する方法は2つあります。

一つ目は先ほども触れましたが、予習型の授業にすることです。
予習型であれば、かなりレベルを下げた内容で授業をしても、上位層もある程度満足するためやりやすいのです。

もう一つは、時間割を工夫して2クラスに分ける方法でしょう。
ただし、これはある程度人数が集まってからと言うことになります。

ちなみに講師一人でも4クラス作ることは可能です。

月水金前半中1クラス、後半中3クラスA
火木土前半中2クラス、後半中3クラスB

全員19:00~21:40の在校時間で、授業がない時間帯は自習させるなりPCを使って勉強させればいいのです。

また、これは私の友人の塾長がやっていることですが、授業週2回強制自習日週1回みたいな感じにすると

自習時間はスタディサプリや英単語アプリなどを使って勉強させると、塾長一人でも各学年2クラスづつ、合計6クラスの運営が可能になります。

時間割上は3教室必要なようにも見えますが、実質授業部屋と自習室の2教室しか使っていませんので、10坪程度のテナントで運営可能です。

ビジネスモデルは自分で計算するもの

フランチャイズのビジネスモデルは、所詮成功例などの都合のいいものしか出してきません。

せっかく独立開業するんです、ビジネスモデルや収益構造の計算も自分でやった方が楽しくないですか?

今回上げた例に限らず、一斉クラスの時間割なんて多くの塾がHPで公開しています。
それらを調べて、自校舎の運営に落とし込むことも企業の醍醐味と言えるでしょう。

つまり、結局さるまねね!

さようにござる。

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